内容についてはwikiのほうに掲載してあります。
ここでは、自分でワークショップを運営してみて、いろいろと気がついたことを書いてみました。
≪PFには意外と『褒める』が少ない≫
みなさんが「どうすればいいか」を書くために使った言葉が、「評価する」とか「叱らない」など。わたしは「五十六メソッド」が頭の中にあるから「褒める」という言葉を簡単に引き出しているが、PFの説明をした文章やプレゼン資料には、意外と「褒める」という言葉が少ないのだろうと。
ワークショップのまとめの段階でわたしが「褒める」という言葉を使うと、みなさん一様に納得してくれたようだった。これからはPFの説明をする上で「褒める」ということを盛り込んでいくと、みなさんの行動のきっかけとして使えるのではないだろうか。ここは「五十六メソッド」とのコラボが必要なのだろう。
≪逆算ドリルを使ってみて≫
これまでのワークでも、紙に書くというやり方はしていたが、今回は思考を誘導するという意図もあり「ドリル」という、穴埋め式の手法を取り入れてみた。
PFの原則的な考えとして「工夫の余地」があるが、思考を誘導するということは、こことのトレードオフになると、最初から懸念に近い考慮はしていた。ドリルを使う目的は「PFの理解の促進」であったので、目的を達成する上ではかなり効果は高かった。
途中の「何が効果の獲得を阻害しているか?」をブレーンストーミングで行ってもらったが、そこでは付箋を利用して自由に書いてもらうので、全ての思考をパターン化させているわけではないので、誘導と自由さのバランスという意味でも、成功したのではないか。ここのバランスのとり方は、もっと工夫してもよさそうである。
また「書く」ということが、いつも以上に多いワークだったと気づいた。みなさんの思いが会話の中にたくさん溢れてくるが、それを「書く」ことで整理されていくのではないかと思う。なのでみなさんに持ち帰ってもらう「明日からこれをやる」がかなり明確であった。
そして懇親会へ向かう道すがら、上田さんとこのドリルの話になったのだが、あの形式はそのまま別のことにも使えそうだという意見で一致する。
例えば、「PFの効果」として項目を羅列したが、あれを「プロジェクトの目標」などに置き換えても、そのまま使えるだろう。あのドリルをもう少し工夫して、汎用的にな使うこともこれから考えていこう。
≪PFの役割はその内容だけではない≫
少し自分の話をした中で気づいたこと。
XPユーザ会からコミュニティ参加をしているが、正直なところコミュニティの中で語られていることを理解できるようになるまでに、かなり時間を要していた。コミュニティへ参加する人たちの知識レベルは千差万別で、だからこそよい刺激を受けられるのだが、やはり越えなければいけない「壁」はあるのではないか。自分がそうだったように。
しかし、PFの場合初めて参加した人でも、人との関わりあいや、チームで動く上での「抱えている問題」とか「成功体験」が、お互いにすぐ理解できる。
つまり、コミュニティに参加した途端に、すぐ「共感」を得られるテーマであるので、すぐに「仲間意識」を抱くことができ、簡単に知識レベルの「壁」を越えることができるのだということ。こういうコミュニティは、それだけですごいなーと思った。まずPFに入ってコミュニティで受ける刺激を感じることができれば、他にどんどん参加していく勇気を持てるだろう。
PFとは、それを誰かと共に考えることをしただけで、自分に勇気を植え付けてしまう不思議な力を持った「トリガ」だと思った。